「スマホのカメラをかざすと、ポスターの中からキャラクターが飛び出してくる!」
このような体験を可能にするのがARマーカーです。
ARマーカーは、画像や特定の物体を「目印」にして現実世界にデジタルコンテンツを重ねて表示する技術のことです。
ポスター、商品パッケージ、名刺、観光案内など、さまざまなシーンで活用され、広告・マーケティング・教育・エンタメ分野でも注目されています。
とはいえ、「ARマーカーって何?」「どういう仕組み?」「二次元バーコードとは何が違う?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
本記事ではARマーカーについて、初心者にもわかりやすく解説します。
Contents
ARマーカーとは?基本の仕組みを解説

ARマーカーとは?
ARマーカーはスマートフォンやARアプリを利用してデジタルコンテンツを表示するための目印となる画像やオブジェクトです。カメラをかざすだけで3Dモデルや動画、テキストなどを現実世界に重ねて表示できます。この技術はポスターや商品パッケージ、印刷物、名刺などに埋め込むことが可能で、従来の二次元バーコードよりも表現の自由度が高いのが特徴です。
ARマーカーの仕組み

ARマーカーの動作は主に以下のプロセスで成り立っています。
1. カメラでマーカーの読み取り
スマートフォンやタブレットのカメラを利用し、特定の画像やマーカーを認識します。
2. ARシステムが解析し、データを取得
画像認識技術を使用し、関連する3Dモデル、映像(動画コンテンツ)、テキスト情報などを読み取ります。
3. 現実世界にデジタルコンテンツを重ねて表示
画面上にARマーカーの位置や角度に応じたコンテンツをリアルタイムで描画します。
4. ユーザーの動きに対応し、最適な視点で表示
GPSやカメラの角度、デバイスの位置情報を活用し、より自然なAR体験を実現します。
この仕組みにより、ARマーカーは静的な情報だけでなく、ユーザーとコンテンツの双方向的な体験を提供できるため、マーケティングや教育分野でも注目されています。
ARマーカーの技術的なポイント
ARマーカーを機能させるためには、以下の要素が重要です。
- 高精度な画像認識(正確なトラッキングが必要)
- 安定したデータ通信(クラウドと連携して動作する場合もある)
- カメラの性能(低解像度のカメラでは認識精度が低下することがある)
- 対応デバイス(スマートフォンやタブレット、AR対応デバイスなど)
また、近年ではWebARの技術も進化し、アプリをインストールしなくてもブラウザ上でARを体験できるサービスが増えています。
ARマーカーの種類と二次元バーコードとの違い

1. ARマーカーの種類
ARマーカーを認識対象の違いに基づいて5種類に分類しました。それぞれの特徴を見ていきましょう。
① ARマーカー

画像マーカーは特定の画像をARマーカーとして認識し、デジタルコンテンツを表示する技術です。 ポスターや名刺、商品パッケージなどに活用され、ユーザーがスマートフォンをかざすことで、インタラクティブなコンテンツを楽しむことができます。
例えば、映画のポスターにARマーカーを埋め込み、スマホをかざすと予告映像が自動再生される仕掛けを用意すれば、視覚的なインパクトと情報提供を同時に実現できます。
また、商品パッケージにARマーカーを印刷し、スキャンすると3Dモデルや動画が表示され、商品の使い方や特徴を詳しく説明するといった活用方法もあります。
このように、画像マーカーを活用することで、従来の印刷物では伝えきれない情報を効果的に発信し、ユーザーの体験を向上させることが可能です。
②イメージトラッキング(画像認識型)
イメージトラッキングは、カメラで特定の画像を認識し、ARコンテンツをその画像に固定して表示する技術です。例えば、ステッカーやポスター上にある会社ロゴやチームマスコットをスキャンすると、画像の上にそのまま3Dアニメーションや動画が流れるといった使い方が可能です。カメラの視点が変わっても、ARコンテンツは画像と一緒に移動するため、より没入感のある体験を提供できます。
この技術は、特に印刷物とARを組み合わせたマーケティング施策に適しているため、広告業界や出版業界での活用が進んでいます。
③空間認識型
空間認識型はカメラが周囲の環境を認識し、特定の場所にデジタルコンテンツを配置する技術です。 床やテーブルなどの平面を認識する平面検知や壁を認識する壁面検知、スマートフォンやタブレットで物をタッチしたりすることでデジタルコンテンツを適切な位置に表示できます。画像マーカーを必要としないことが特徴です。
例えば、家具の配置シミュレーションではスマートフォンのカメラで床を検知し、3Dモデルを部屋に配置できます。これにより、実際のサイズ感やデザインを確認することが可能です。 購入前に家具の大きさや色が部屋に合うかを確認できることから、オンラインショッピングやインテリアデザインで広く活用されています。
観光ガイドとしても活用されており、ユーザーが街中でスマートフォンのカメラをかざすと、歴史的建造物や観光スポットに関する情報がAR表示されるといった使い方が可能です。
④物体認識型(3Dオブジェクトマーカー)
物体認識型は、特定の立体物(3Dオブジェクト)を認識し、その形状や角度に応じてARコンテンツを表示する技術です。画像マーカーと異なり、2D画像ではなく3Dオブジェクトそのものを認識し、現実の形状に合わせたAR体験を提供できるのが特徴です。
例えば、美術館のAR展示では、来館者が彫刻や歴史的な遺物にスマートフォンをかざすと、作品の詳細な解説や3D復元映像が表示されるといった体験が可能になります。これにより、単なる視覚鑑賞にとどまらず、より深い理解を得ることができます。
物体認識型ARは、実際の立体物をトリガーとしてARを表示できるため、広告・販売促進・アート展示・教育分野などで新たな体験を提供する技術として注目されています。
⑤フェイストラッキング(顔認識AR)
フェイストラッキングは、スマートフォンやタブレットのカメラを使い、顔の形状や動きを認識してARエフェクトを適用する技術です。SNSのフィルター機能や、バーチャル試着などに活用されています。
顔認識ARを活用して、AR上に「購入ボタン」や「ブランドページへのリンク」を設置することも可能です。これにより、ユーザーが気に入った商品をその場で購入できる導線を作り、マーケティング効果を高めることができます。
この技術は、eコマースやSNSマーケティングとの親和性が高い手段として注目されています。
2. ARマーカーと二次元バーコードの違い
ARマーカーと二次元バーコードはどちらも情報を読み取る役割がありますが、仕組みや用途が異なります。
ARマーカー | 二次元バーコード | |
---|---|---|
確認方法 | 画像・物体・空間の形を認識 | 白黒のコードをスキャン |
表示コンテンツ | 3Dモデル・動画・テキスト | URL・テキスト・連絡先・地図・Wi-Fi情報・決済情報など |
アプリの必要性 | スマホの標準カメラ、ARアプリ | スマホの標準カメラで利用可能 |
環境との連動 | 現実空間に応じた表示が可能 | どこでも同じ情報が表示される |
二次元バーコードは情報を読み取る手段、ARマーカーは情報を視覚的に体験する手段という違いがあります。
例えば、二次元バーコードはウェブサイトへのアクセス手段として使われますが、ARマーカーは現実空間にデジタル情報を重ねるために利用されます。
ARマーカーの活用事例
1. ARマーカーの活用方法
ARマーカーは、さまざまな業界で活用されています。ここでは特に利用が進んでいる「広告・プロモーション」「教育・学習」「小売・EC」「観光・エンタメ」の4つの分野について紹介します。

① 広告・プロモーションでの活用
近年、多くの企業がARマーカーを広告やプロモーションに活用しています。従来のポスターやチラシでは静的な情報しか伝えられませんが、ARを組み合わせることで、よりインタラクティブな体験を提供できます。
また、ARコンテンツ内にリンクボタンを設置することで、ユーザーをホームページやキャンペーンページへ直接誘導することも可能です。
②教育・学習
教育分野ではARマーカーを活用することで、より直感的な学習体験を提供できます。特に、紙の教材とデジタルコンテンツを組み合わせることで、従来の学習方法では難しかった「実物に近い体験」が可能になります。
例えば、歴史の教科書にARマーカーを設置し、スマートフォンをかざすと歴史上の人物が3Dモデルとして登場し、音声で解説を行うコンテンツがあります。また、理科の実験書にARを活用し、実際の化学反応や物理現象をシミュレーションすることで、学生が視覚的に学べる環境を提供することも可能です。
③小売・EC
オンラインショッピングでは実際に商品を手に取って試すことができないという課題があります。そこで、ARマーカーを活用することで、消費者がよりリアルに商品を体験できるようになります。
例えば、アパレル業界ではAR試着システムを導入することで、スマートフォンのカメラを使って衣服やアクセサリーをバーチャル試着できるようになっています。また、化粧品ブランドではARマーカーを活用し、リップやファンデーションの色合いを自分の顔にシミュレーションできるアプリを提供しています。
さらに、家具やインテリア業界でも、ARを使ったシミュレーションが増えています。消費者は、ARを活用して自宅の空間に仮想的に家具を配置し、実際のサイズ感やデザインのバランスを確認できます。
④観光・エンタメ
観光業界ではARマーカーを利用したガイドシステムが導入され、訪問者により多くの情報を提供できるようになっています。
例えば、歴史的な建造物や遺跡にARマーカーを設置し、スマートフォンをかざすと、当時の姿を3D映像で再現するシステムがあります。これにより、観光客は現代の風景と過去の風景を比較しながら楽しむことができます。
また、美術館ではAR技術を活用して、展示作品にスマートフォンをかざすと、作者の解説や制作背景の動画が表示される仕組みを導入している施設もあります。これにより、訪問者はより深く作品を理解し、展示を楽しむことができます。
2. ARマーカーを活用した成功事例
1. 東京港埠頭:ARデジタルスタンプラリーで観光促進

近年、観光地や歴史的な名所では、訪問者の体験を向上させるためにAR技術が活用されています。その中でも、公園や観光エリアに設置されたARマーカーを活用したスタンプラリーは、来訪者を楽しませながら学びの機会を提供する効果的な施策となっています。
東京港埠頭では公園内7か所にARマーカーを設置したデジタルスタンプラリーを導入しました。来場者がスマートフォンをかざしてマーカーを読み取ると、2Dアニメーションのマスコットキャラクターが表示される仕組みになっています。
こちらのスタンプラリーは、全てのポイントを回ってスタンプをコンプリートすると記念品と交換できる特典が用意されていました。このような施策を行うことで訪問者が公園内を広く巡る動機付けをすることができ、観光エリア全体の回遊性が向上する効果があります。
出典:
2. AR Works:AR名刺でスマートな自己紹介

AR Worksは専用アプリ不要のWebAR技術を活用したAR名刺を提供しています。スマートフォンのカメラで名刺をスキャンすると3Dモデルや動画が表示され、自己紹介や企業PRをインタラクティブに伝えることが可能です。企業説明や製品デモを含めることで、顧客とのエンゲージメントを高め、より深い印象を残すツールとして注目されています。
出典:https://promotion.ar-works.jp/
3. ギンビス:お菓子パッケージにARフォトフレームを導入
製菓会社のギンビスは「しみチョココーン ハロウィン8P」や「たべっ子どうぶつ ハロウィンアソート8P」の商品パッケージにARマーカーを活用しました。消費者がスマートフォンでパッケージをスキャンすると、マスコットキャラクターと一緒に写真が撮れるオリジナルフォトフレームが表示される仕組みです。この取り組みにより、商品の付加価値を高め、消費者の購買意欲を促進しました。
ARマーカーの作成方法
ARマーカーを作成するには、「マーカー画像の準備」「AR開発ツールの利用」「コンテンツの設定」 の3つのステップが必要です。
1. マーカー画像の準備
ARマーカーの精度を高めるためには、認識しやすい画像を選ぶことが重要です。
ポイント:
・高コントラストなデザイン(背景と模様の差がはっきりしているもの)
・シンプルな形状(複雑すぎるデザインは認識エラーを起こしやすい)
・独自性があるパターン(類似画像が多いと誤認識の原因になる)
ポスターや商品パッケージなどにARマーカーを埋め込む場合は、事前にARツールで読み取りテストを行い、正しく認識されるか確認しましょう。
2. AR開発ツールの利用
ARマーカーを作成するには、専用の開発ツールを使用します。近年ではコードを書かずに簡単に作成できるツールも増えています。
3. コンテンツの設定
ARマーカーをスキャンした際に表示されるコンテンツを決めます。動画、3Dモデル、アニメーション、テキスト情報など、目的に応じたデジタルコンテンツを作り、AR開発ツールを使ってマーカーと紐付けます。例えば、商品パッケージのマーカーをスキャンすると製品紹介動画が再生されたり、3Dモデルを回転させて確認できたりする、といった設定が可能です。
ARマーカーを導入するには?準備・ポイントなどを説明

1. ARマーカー導入の準備
ARマーカーを導入するには、以下のステップで準備を進めます。
① 目的を明確にする
ARマーカーを使用する目的を明確にしましょう。主な活用例としては以下があります。
・商品パッケージに設置し、消費者に商品情報や動画を提供
・観光案内で歴史的背景や見どころを表示
・教育分野で教科書の図や写真を3Dモデルで補足
② ARマーカーの種類を選ぶ
ARマーカーには以下のような種類があります。
- 画像認識型マーカー: 企業ロゴやイラストをARのトリガーとして使用
- 二次元バーコード型マーカー: スキャンするとWebARや動画が表示される
- パターン型マーカー: 特定のデザインや模様をスキャンするとコンテンツが表示
③使用するプラットフォームを選択する
ARマーカーを運用するためには、適切なARプラットフォームを選ぶ必要があります。
目的や用途に応じて、大きく分けて「AR制作サービス」と「AR開発エンジン」の2種類があります。
AR制作サービスは、専門的な開発スキルがなくても手軽にARを導入することができます。このサービスを提供している多くのプラットフォームはARマーカーはもちろん、WebARにも対応しています。イベントやプロモーションに強く、無料プランがあるところもあります。
一方で、より高度なカスタマイズを行いたい場合はAR開発エンジンを使い、オリジナルのARアプリやシステムを構築できます。
Vuforia、8thWall、ARToolKitなどのツールが有名です。
しかし、このようなツールを使うためには専門的な知識やスキルが必要で、開発の各フェーズ(企画・設計・実装・テスト)で時間がかかるというデメリットもあります。
2. ARマーカー導入のポイント

① ユーザー体験を考慮する
ARマーカーを導入する際は、ユーザーにとって直感的で使いやすい設計を心がける必要があります。特に、スムーズなアクセスと認識のしやすさが重要です。
例えば、二次元バーコード型のARマーカーを活用することで、一般的なスマートフォンのカメラで手軽に読み取ることができ、アプリのダウンロード不要でAR体験が可能になります。 これにより、ユーザーの負担を減らし、より多くの人にARコンテンツを利用してもらうことができます。
また、ARマーカーのデザインや配置も考慮する必要があります。マーカーが目立たなかったり、適切に配置されていなかったりすると、ユーザーがスムーズにスキャンできず、離脱につながる可能性があります。そのため、視認性の高いデザインと適切な配置を計画し、ユーザーが迷わずAR体験できる環境を整えることが重要です。
② コンテンツの更新・運用を計画する
ARマーカーを導入した後も、コンテンツの鮮度を維持し、継続的にユーザーの興味を引きつけることが大切です。定期的な更新や効果測定を行うことで、より効果的なAR体験を提供できます。
例えば、ユーザーがどのくらいARを利用したのか、どのコンテンツが人気なのかを把握し、今後の施策に活かすことができます。 また、季節ごとにイベント向けの新しいコンテンツを追加することで、ユーザーのリピート率を向上させ、ARマーカーを活用したプロモーションの効果を高めることが可能です。
③ コストと効果を比較する
ARマーカーを導入する際には、目的に応じてどの程度のコストをかけるべきかを慎重に検討することが重要です。予算と目標を明確にし、最適な導入方法を選ぶことで、コストパフォーマンスを最大化できます。
例えば、短期のキャンペーンや期間限定プロモーションであれば、SaaS型のARサービスを活用することで、低コストかつ迅速に導入できます。
ARマーカーの導入目的を明確にし、必要な投資と期待される効果のバランスを見極めることが成功の鍵となります。
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ARマーカーまとめ

ARマーカーは商品パッケージやポスター、観光案内などで活用され、ユーザーにインタラクティブな体験を提供できる技術です。手軽に3Dモデルや動画を表示できるため、マーケティングや教育、エンターテインメント分野での利用が広がっています。
導入時には使いやすい設計やコンテンツの更新が重要です。マーカーのデザインや配置を工夫し、直感的に利用できる環境を整えることで、より多くのユーザーに楽しんでもらえます。
また、効果を測定しながら運用することで、プロモーションの成功率やブランド価値の向上にもつながります。マーケティング対策や顧客エンゲージメントを目指すなら、ARマーカーの導入は有効な選択肢と言えるでしょう。
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