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最新ARグラス「XREAL One」レビュー〜想像以上の没入感
レビュー
2025.05.14

最新ARグラス「XREAL One」レビュー〜想像以上の没入感

近年、「スマートグラス」や「ARグラス」は急速に進化を遂げ、エンターテインメントからビジネスシーンまで、さまざまな場面で活用されるようになってきました。動画視聴やゲームに特化したモデルもあれば、作業支援や業務効率化を目的とした多機能な製品も登場し、選択肢は年々広がっています。

本記事では、2025年1月に発売されたばかりの最新モデル「XREAL One」に注目。XREALシリーズの中でも特に高性能とされる本製品は、広い視野角や高精度な空間認識機能、独自チップによる低遅延処理など、ARグラスとしての完成度の高さが特徴です。

今回は、ARやガジェットに精通した当社スタッフが実際に「XREAL One」を使用し、その操作感や使用感、ビジネスでの実用性をレビュー。スマートグラス選びに迷っている方に向けて、メリット・デメリットを含めたリアルな視点から解説していきます。購入や導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

なお、AR(Augmented Reality/拡張現実)とは、現実世界に2D・3Dオブジェクトや音声、動画・映像などさまざまな情報を追加することができる技術です。詳しく知りたい方は関連記事をご覧ください。

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「XREAL One」の基本情報

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製品の特徴

独自チップによる高速処理

XREAL Oneには、同社が開発した「XREAL X1」チップが搭載されており、AR表示に必要な処理を高速かつ低遅延で実行します。映像の応答速度は約3msとされています。

高解像度・広視野角のディスプレイ

片目あたり1920×1080ピクセルのフルHD解像度を持つ0.68インチのマイクロOLEDディスプレイを搭載。視野角は最大50度で、没入感のある表示が可能です。

屋外対応の明るさと調光機能

最大600nitsの輝度に対応し、3段階の調光機能を備えています。利用環境に応じて明るさを調整することで、視認性を確保できます。

スピーカーはBoseがチューニング

本体にはBose監修のスピーカーが内蔵されており、外部機器を用いずに音声付きコンテンツを再生できます。

軽量で装着しやすい設計

本体重量は約82gと軽量で、長時間の装着にも配慮された設計となっています。USB Type-C接続によりスマートフォンやPCとの接続が可能です。

スペック詳細

項目内容
チップXREAL X1 チップ
DoF単独 3 DoF
ディスプレイ0.68インチ マイクロOLED
調光機能3段階で調節可能
視野角(FOV)50°(最大367インチ)
リフレッシュレート120 Hz
輝度600 nits
音響Boseによるチューニング
重量82 g

デザインと装着感

最新ARグラス XREAL One レビュー デザイン 装着感 本体 ケース

ケースも付属しています

外観の第一印象

実物を手にしてみると、第一印象は「スマートグラスっぽさが控えめで自然」。艶消しのフレームとシンプルな形状で、ぱっと見はサングラスにも見えます。過去のモデルや他社製品と比較してもかなり違和感のないデザインとなっていて、装着してもガジェット感が強すぎない印象でした。

長時間着用時の快適性

最新ARグラス XREAL One レビュー デザイン 装着感 本体

数時間ほど連続で使用しましたが、装着による疲労感はあまり感じませんでした。鼻パッドやテンプル(つる)の圧迫も少なく、全体的に軽い着け心地です。

また、やはり同社の「XREAL Beam Pro」(Androidデバイス)との組み合わせは良かったです。「XREAL Beam Pro」を充電しながら「XREAL One」を使用することも可能なので、長時間利用する上では便利でした。
ただし、デバイスと接続用のケーブルがやや存在感があり、邪魔だと感じる場面もありました。他のモデルと比較するとそこまで違和感はありませんが、動きながら使う場合は少し注意が必要です。

メガネとの併用について

最新ARグラス XREAL One レビュー デザイン 装着感 本体 メガネ 併用

視力補正が必要な場合は専用のインサートレンズを使用することが想定されています。今回は専用のインサートレンズを装着してみましたが、違和感は全くありませんでした。

メガネとの併用については、実際に試してはいないものの、フレームが薄いタイプであれば装着自体は可能そうに見えました。ただし、XREAL Oneのハーフミラーレンズに傷がつく可能性があるため、この点は自己責任での使用となります。
なお、公式ではメガネとの併用は推奨されておらず、視力補正が必要な場合は専用のインサートレンズの使用が想定されています。安全に使いたい場合は、インサートレンズの導入をおすすめします。

重量と装着感

「XREAL One」はカタログ値で82gとなっており、他モデルと比べると数グラム重くなっています。しかし実際に装着してみると「思ったよりも軽い」といった印象で、長時間使用していてもそんなに負担は感じませんでした。

セットアップと操作性

初期設定や接続

開封から使い始めるまでの流れは、特に複雑な設定もなくスムーズでした。初回起動時にファームウェアの更新が入りましたが、これは最近のデバイスではよくあることなので想定内です。

スマホとの接続のしやすさ

最新ARグラス XREAL One レビュー セットアップ 操作性 XREAL Beam Pro デバイス 接続

「XREAL One」はPC(Windows/Mac)やスマートフォン(Android/iPhone)、ゲーム機などと接続が可能です。

今回は「XREAL Beam Pro」(Androidデバイス)接続してみました。
初期接続で簡単なセットアップの必要があるものの、2回目以降はすんなり接続ができました。

※PCやゲーム機へ接続する場合は別途接続用端子が必要な場合があります

UI・操作性

最新ARグラス XREAL One レビュー セットアップ 操作性 XREAL Beam Pro デバイス 接続

グラス側のメニュー構成はシンプルで、映像や音量設定など使いながら直感的に操作できました。「XREAL Beam Pro」(Androidデバイス)と接続した際に表示されるメニューについては、空間コンピューティングを意識された作りなのが印象的で、こちらも使いやすかったです。

トラブルの有無

使用中に特筆すべき不具合は発生しませんでした。初回起動時にはファームウェアの更新が求められましたが、これは事前に想定していた範囲内のもので、更新もすぐ完了しました。

操作中に設定で迷ったり、進行が止まるようなエラーに遭遇することもなく、全体として安定した使用感が得られました。

初めてARグラスを使う人でも無理なく直感的に操作できるのではないかという印象です。

使用感

最新ARグラス XREAL One レビュー 使用感 装着感 子ども サイズ感 サイズ

子どもでも問題なく装着できるサイズ感

カスタマイズの柔軟さが便利

他のARグラスでも共通している部分ではありますが、「XREAL One」は特にディスプレイの距離感や鮮明度など、細かい設定項目が充実しています。自分のスタイルやPCの配置に合わせて柔軟に調整できるのが使っていてとても快適でした。

個人的に気に入ったのは、曲面モニターのような横長の画面を再現できる点です。株トレーダーが使うウルトラワイドモニターのような感覚で、複数のウィンドウを並べて作業するのにも向いていると思います。物理的な場所を取らずにそれを実現できるのは大きなメリットで、価格も考えると普通の曲面モニターと同等かそれ以上の選択肢になるかもしれません。

スマホの画面を投影して固定表示できるのも面白くて、例えばキッチンで料理をしながらレシピを確認する、なんて使い方もできそうです。

没入感と表示の見やすさ

「XREAL One」の視野角は50°と、ARグラスの中では広めです。実際に使ってみると、画面が大きくてワイドなので没入感はかなり高く感じました。

また、輝度が高くシャープに映像が見えるため、映像の質そのものも体験の満足度を高めてくれます。

加えて、調光クロミックの機能により透過度を3段階で調整できるのも便利でした。背景が透ける状態から真っ暗な状態まで切り替えられるので、周囲の状況に応じて使い分けられます。
オフィスでは半透明にして周囲の状況を把握しながら別モニターと併用したり、映画や動画を観るときは真っ暗にして没入感を高めるといった使い分けが簡単に行えます。

今回は高負荷のコンテンツまでは試していませんが、レスポンスについては特に引っかかりや遅延を感じることもなく、全体的にスムーズな操作感でした。

トラッキングの安定性について

画面の追従と固定、どちらの設定も試してみましたが、両方とも違和感なく使うことができました。

追従設定では、頭の動きに合わせて自然に画面がついてくるため、視点の移動に対してストレスがなく、映像や軽作業との相性が良いと感じました。

一方、画面を固定する設定にすると、まさに“そこにディスプレイがある”という感覚に近くなり、PC作業のように集中力を求められるシーンでは非常に使いやすくなります。特に複数のウィンドウを同時に扱うような作業では、視線の移動が少なくて済むので効率的でした。

動画視聴の使用感

YouTubeの通常動画をフルスクリーンで視聴してみました。画質・輝度・音質のバランスが良く、また、視野角が広いため映像がしっかり視界に広がり、高品質な体験ができました。

距離感の設定を調整すれば、コンテンツの上下が切れてしまうといったストレスもなく映像全体を表示できます。移動中の電車や飛行機など、限られた空間でも快適に視聴できそうです。

また、SBS(サイド・バイ・サイド)形式の立体動画も再生できました。立体動画を見るにはグラス側の設定変更が必要ですが、通常の平面動画とあわせて、映像ジャンルごとに使い分けできるのはARグラスの利点のひとつだと思います。

Webブラウジングや軽作業

視力の調整は必要になるものの、テキストの読みやすさは全く問題ありませんでした。文字がつぶれたり、にじむことなくはっきり見えるので、Webブラウジングだけではなく、ちょっとした資料チェックなどにも活用できそうです。

ゲームの可能性

今回は「XREAL Hub」が手元になかったため、実際のゲーム機との接続は試せませんでした。ただ、以前展示会で「XREAL Air 2 Pro」と「PS5」を体験した際には、「視野角がもう少し広ければ…」と感じた記憶があります。「XREAL Air 2 Pro」の視野角は46°なので、それよりも広い50°の「XREAL One」であれば十分にゲームを楽しめそうです。
PS5やNintendo Switchと接続して、寝転がりながら大画面でゲーム…というのも、ぜひ試してみたいところです。

スピーカーの音質

音質は思っていたよりもクリアで、普通に動画を見たりコンテンツを楽しむ分にはまったく問題なしでした。ただ、外に音が漏れる可能性があるので、周囲に人がいるときは少し音量を控えめにしたくなります。

他製品との比較

「XREAL One」と他のAR・VRデバイスを実際に使った印象で比較してみました。

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)タイプとの比較

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Meta Quest 3やVision Pro、HoloLens 2といったHMD(ヘッドマウントディスプレイ)タイプと比べると、グラス型の「XREAL One」は装着が圧倒的に楽です。パッとかけてすぐに使えるのは思っていた以上に便利で、日常的に使いたくなる軽さがあります。
また、グラス型はHMDのように顔を覆うタイプではないので、熱がこもりにくいのも地味にありがたいポイント。室内でも外でも、季節を問わず快適に使えます。

ビデオパススルーとの比較

「ビデオパススルー」は、ユーザーが実際の周囲を直接見るのではなくカメラで捉えた映像をディスプレイを通して見る技術で、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で使われています。一方、グラス型は「ライトシースルー」(または透過型ディスプレイ技術)が採用されており、ユーザーが実際の世界を直接見ながら、その視界にデジタル情報やオブジェクトを重ねて表示します。

「ビデオパススルー」のHMDと比べると、「ライトシースルー」のグラス型は現実そのものの自然な見え方が保たれている一方、デジタル側の演出はやや控えめに感じることもあります。
とはいえ、「XREAL One」のディスプレイは十分に高精細で、動画を見たり作業に使ったりするには全く問題ありません。装着のしやすさや軽さを加味すると、総合的にはかなり満足できる製品だと感じました。

過去のXREALシリーズとの比較

過去のXREALシリーズと比べても、今回のモデルは本体が熱を持ちにくくなっている印象を受けました。長時間装着しても「あれ、熱いかも?」と感じることがなく、作業や視聴中も快適に使い続けることができました。

「XREAL One」の“良いところ”と“気になるところ”

実際に使ってみることで見えてきた、「XREAL One」の“良いところ”と“気になるところ”を整理してみました。

メリット:軽さと映像の快適さが光る

  • 軽量で持ち運びやすい:82gと軽く、長時間装着していても疲れにくい。
  • 映像のクオリティが高い:フルHD×2の高解像度ディスプレイで、映像がシャープで鮮明。
  • ケーブル1本で使える手軽さ:スマホへはUSB-Cケーブル1本で接続でき、セットアップもスムーズ。
  • 調光クロミック機能で屋外対応もOK:背景の透過度を調整できるので、屋外でも自然な見え方が可能。
  • バッテリーが本体外部にある構造:グラス本体が軽量で、頭部への負担が少ない。

デメリット・改善点:使い方によっては気になる場面も

  • ケーブルの存在感:有線接続であるため、動作中はケーブルの取り回しに少し注意が必要。立ったり動きながら使いたい場面では、引っかかりが気になることも。
  • 画面固定の安定性:画面の位置を固定していても、まれに少しずつズレる感覚がある。集中して作業しているときにちょっと気になる程度だが、今後のさらなる改善に期待。
  • 音漏れへの配慮:骨伝導など、音漏れしにくい設計があればさらに安心。現状でも大音量でなければ問題はないが、公共の場では少し気になる場面も。

細かな部分に改善の余地はあるものの、全体としては非常に完成度が高く、使いやすいARグラスという印象です。今後のアップデートにも期待しています。

まとめ:娯楽にも仕事にも、快適に使えるARグラス

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楽しい瞬間が伝わる素直なリアクション

今回使用した「XREAL One」は、動画視聴やゲームといった娯楽用途から、資料の確認やWebブラウジングなどの作業シーンまで、幅広く活用できるARグラスという印象でした。

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)タイプのように、完全な没入感を求める人にはやや物足りなさを感じるかもしれませんが、そのぶん装着の軽さや直感的な操作性など日常使いに便利で、気負わず自然に使えるのが魅力です。また、ディスプレイのクオリティ、透過表示・画面固定といった機能もしっかり備えており、全体的にバランスの取れた仕上がりだと言えるでしょう。

有線接続によるケーブルの取り回しなど気になる点はあったものの、総じて快適に使えるデバイスだと感じました。
「ARグラスを初めて使ってみたい」「仕事にも趣味にも使える1台を探している」──そんな方にとっては、選択肢のひとつとして検討する価値がある製品だと思います。

▼XREAL公式サイト|XREAL One 詳細
https://www.xreal.com/jp/one

▼XREAL SHOP|XREAL One
https://jp.shop.xreal.com/products/xreal-one

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WRITING AR Works編集部

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